はじめての海外旅行 その4

知っている人は知っていると思うけど私は高いところが大の苦手だ。だから飛行機も苦手かというと、これがそうでもない。おそらく、私が嫌いな高いところというのは「自分がちょっと動きを間違えると命にかかわる」ような高いところなんだと思う。だから吊橋とかマンションのベランダとかは、うっかり下を覗き込んだときにめまいでもしたら転落しかねないのであまり好きじゃない。飛行機の場合は、自分が多少転ぼうが倒れようがただちに命にかかわるわけではない*1ので、そんなに苦手意識はないのだ。
そんなわけで基本的には余裕の気持ちで離陸を待つ。しかし妻は飛行機も苦手のようであまり生きた心地もしないようだ。また成田の場合は車輪が動き出してから離陸するまでがえらく長い。軽く20分以上はかかるんじゃないか? その間恐怖と戦いながらプーを抱えていないといけないのだから大変だろう(妻が)。おとなしく寝ていてくれればいいんだがさっき寝てしまったのでその気配もない。仕方が無いのでこの日のために用意したおもちゃのひとつをあてがうことにした。アンパンマンの絵がついた落書きおもちゃだ。専用のペンで画面に書くと絵が描けるけどレバーをスライドさせると消えるやつ。子供のころ欲しくて仕方がなかったな〜。あれのてのひらサイズのやつがあったのでこの日のために購入し、今日までプーには隠していたのだ。そしてこれが効果覿面! 夢中で食いついている。そんなこんなで無事離陸。シートベルト着用のランプも消え、平日とあって比較的空いていたので義父母は窓側の席に移動してくつろいでいる*2。プーも基本的にはご機嫌なんだが何せ飽きっぽいので次から次へとこの日のために用意したおもちゃや絵本を投入することになった。こりゃ帰りの飛行機が思いやられる....。
機内食は我々大人用の他にプー用のものも用意されていた。瓶詰めのベビーフードを覚悟していたのだが、なかなかどうして立派なものだ。しかしプーは先に妻の分をつまみぐいしていたのでプー用が来た頃にはもうおなか一杯らしく、結局私の胃袋におさまることになった。やはり味付けは大人用にくらべると物足りないがまぁ仕方ない。
食後のお約束といえば爆弾だ。プーが座席で踏ん張っていたので慌てて最後尾のオムツ交換台があるトイレへ。飛行機の中だから仕方ないとはいえ、これがまたえらく狭い。必死で交換しているうちに機内アナウンスで「まもなく硫黄島上空を通過します」との案内がある。交換を終えて出てみると飛行機の右側の窓に張り付いて写真を撮っている人が何人かいる。これで右翼側の荷重が重くなってひっくりかえったりしないんだろうか、と心配になったんだが*3さすがにそんなことはなく、私もプーを抱えながら上空から硫黄島を鳥瞰する。
そのうちに客室乗務員さんが入国関係書類を配り始めた。プーの世話を妻に任せて私が記入することにしたんだが、なんせ5人分とあって一苦労だ。なんでこれってもっと早く配ってくれないんだろう? やっとの思いで書き終えたころには飛行機は緩やかに降下をはじめており、やがて主翼越しに緑に覆われた島が垣間見えた。これがグアム島なのかどうかはわからないが北マリアナ諸島のいずれかであることは間違いなさそうだ。時計の針を1時間進めているうちにやがてグアムの街が見え始め、軽い振動とともに無事グアム空港に到着。プーも結局ほとんどぐずることもなかったようでとりあえず一安心だ。過去のウルトラの挑戦者の方々の多くもこの空港に降り立ったんだな〜、とちょっとした感慨にひたりながら機を後にした。このペースで書いているといつ終わるかわからないが以下次号。

*1:例えば自分で単葉機を操縦するとか、そういうのは一歩間違えれば命にかかわるので嫌だろうけど。

*2:外を見るためというのもあったのだろうが、もともとの席がスクリーンの前だったので足が伸ばせなかったのが窮屈だったようだ。

*3:むかし「おじゃまんが山田くん」でそんなシーンがあった。船だけど。