不憫な子

週末東京に出かけた際に百貨店の玩具コーナーにプーを連れて行ってみた。さすが東京の有名百貨店だけのことはあって、地元の百貨店にあるような安っぽいおもちゃではなく木製のいかにも高級そうな輸入玩具がディスプレイされている。当然プーも食いつくんだが、週末とあってけっこうな混雑で空いているおもちゃなんかあるわけもない。そうなるとプーは小さな体で自分より大きい子を押しのけて遊ぼうとする。当然親としては「いま別のお兄ちゃんが遊んでいるから待たないとダメだよ」と注意する。ここで非常に良くできた子だと「どうぞ」とおもちゃをゆずってくれたり、あるいは親が「○○ちゃんはもう遊んだから小さい子に譲ってあげなさい」と声をかけてくださったりしてプーも好みのおもちゃを手にすることができるんだが、いつもそうとは限らない。プーに譲るまいとやっきになる子供がいたりすると、喧嘩になる前に仕方なくプーを力ずくで連れ去るしかなくなる。
一方、プーがおもちゃで遊んでいるときに他の子がやってきたりすると、こちらもいつまでもおもちゃを独占しているわけにもいかないので「お友達が遊びたがっているから譲ってあげようね」と声をかける。とはいえプーがおとなしく譲ることはめったにないので、結局これまたプーを力ずくで連れ去ることになる。
プーにしてみれば、自分が後からやってきたときには「先に遊んでいる子が優先」と止められ、自分が先に遊んでいるときは「次の子に譲ってあげなさい」と取り上げられてしまうわけだ。これはプーがあまりに不憫だと思うんだが、かといって先に遊んでいる子から取り上げるのを黙認する*1わけにもいかないし、さりとて既得権を盾にいつまでも独占させるのも問題だ。いちばん望ましいのはお互いの子供(あるいは親)が相互に譲り合いの精神を持ち合わせることなんだろうが、なかなかそうもいかん。プーぐらいの子供に譲り合いの精神を期待するのは無理というものだろうが、せめて親くらいは....と思うんだが。はてさてどうしたものか....。
その日は結局プーが遊んでいた列車のおもちゃを後から来た子に譲らせようとしたが頑として拒んだので力ずくで連れ去り、そのままおもちゃ売り場を後にしたんだが、あまりにもプーが気の毒だったので帰りに渋谷の「こどもの城」まで足を伸ばして思い切り遊ばせよう、という話になった。ところが渋谷に移動する車内でプーが寝てしまったので結局そのまま帰宅することになり、プーへの贖罪は果たせぬままとなってしまった。プーはもう気にしていない(というか、忘れている)とは思うんだが、それにしてもいささかプーに申し訳ない気持ちが残るな....。

*1:実際にはたいがい相手のほうが体が大きいので、勝てやしないんだけど。