マガジンを読んで思う
初老だろうと中年だろうと青年だろうと「少年マガジン」を毎週読み続けている。その中で「子供は親から受けた恩を返す必要はないが、親から受けた恩を理解できない者に親になる資格はない」という台詞があった。
うーん、もちろん理屈としては正しいんだろうし、心構えとしての話をしているのかもしれないが、しかし実際問題、「親から受けた恩」っていうのは実際に親になってみないと到底理解できないんじゃないだろうか、という気がする。もしかしたら自分が想像力貧困なせいなのかもしれないが....。
そして前段についても異議ありだ。「子供が親から受けた恩を返す」というのは、もちろん金銭的、物質的、時間的に親から与えられた(あるいは親が犠牲にした)ものを返すことは不可能だと思うけれど、その代わりに精神的な部分で、子供は十分に恩を返すことができるのではないか、と今は思っている*1。まだ親になって2年ちょっとの新米なので偉そうなことも言えないが、現時点で「プーのために与えた(犠牲にした)もの」と「プーによって与えられたもの」を秤にかければ後者のほうがはるかに大きいと思う。プーが誕生したときの感動、初めて笑ったときの嬉しさ、初めて歩いたときの喜び....。そしてそういう特別のことが起こらなくても、プーと共に過ごす時間というのは他の何物にも換えがたい大切な時間なのだから。
これから自分(と妻)はきっと今まで以上にプーのために金銭的、物質的、時間的なものを犠牲にしていき、そしてその何倍もの喜びをプーから与えられるに違いない。たぶんプーが結婚して子供を持ったときに頂点に達するんだろう。そういえば「子供が親になったとき、親の子育てはようやく終わる」という言葉もあった。そう思うと、きっと「親になる」ということは、子供が親に対してできる最大の恩返しなのかもしれない*2。
とまあ、少年マガジンでここまで深く考え込んでしまう自分はまだまだ中年でも初老でもないんじゃないか、と思うわけで....(笑)。