カブトムシ

先週の土曜日に「親子わくわくバスツアー」なるものに参加した。体験のひとつに「カブトムシをつかまえよう」というのがあり、カブトムシを2匹連れ帰ってきた。
カブトムシは残念ながら長く生きてはくれないので、飼うのは正直あまり気が進まなかったのだが*1、プーに「生きものが死ぬ」ということを理解させるにはいい機会かもしれない、と思い、できるだけ頑張って長生きしてもらえるように飼ってみることにした。そんな人間の身勝手に付き合わされるカブトムシへの贖罪の意味もこめて、せめて彼らとの思い出を記録に残しておくことにしよう。


8月7日(土)
バスツアー当日。この「カブトムシをつかまえよう」体験は本来子どもだけのメニューなんだが、大人も追加料金を払えば参加できるとのこと*2。プーがひとりでカブトムシを捕まえられるとも思えないので、我々夫婦もやってみることにした。
行く前は「雑木林のようなところに放り出されて勝手に捕まえる」ようなイメージでいたのだが、いざ行ってみるとカブトムシハウスのようなものが用意されていて、簡単に見つかるようになっている。これならプー一人でもできたかな、とも思ったが後の祭り。一人につき虫かごを1つ渡され、オスメスそれぞれ1匹ずつを持ち帰ることができる。ということは親子3人だと合計6匹持ち帰ることができる....って、そんなに持ち帰っても仕方ないので私と妻は持ち帰りの権利を放棄し、プーが捕まえた2匹だけを持ち帰ることにした。ただ持ち帰りさえしなければ採るのは自由なので、生きのいいオスを2匹と、いまひとつおとなしいメスを1匹捕まえる。
事前の説明だと「オスとメスは分けて飼ったほうが長生きするので、長生きさせたければ分けて飼うように。卵を産ませたければ一緒に飼ってもいいけど、そうなるとオスは早く死にます」とのことだった。さすがに卵を産ませて来年また育てるというのも難しそうなので、分けて飼うつもりでいた。....しかし、それならば別にオスメス1匹ずつにする必要もない。ということでメスは帰してやり、元気なオスを2匹持ち帰ることにした。
その後バスと電車を乗り継ぎ頑張って帰宅。カブトムシたちも無事生きている。とりあえず、カゴと一緒に貰った餌ゼリーを1つずつ与えておいた。


8月8日(日)
朝起きてみると餌ゼリーがだいぶ減っていた。いつまでもおがくずで飼うわけにもいかず、せっかくなので環境を整えてやろうと思い、プーの水泳教室のついでに100円ショップで飼育用の腐葉土と保水ジェル、それに木製の餌台と餌ゼリーを購入し、帰宅後にプーと2人で虫かごの環境整備を行う。よく見ると1匹は茶色っぽく、もう1匹は黒っぽいので前者を「茶太郎」、後者を「黒兵衛」と名づけることにした。
一緒にすると喧嘩するらしいので2匹別々にしているが、それでも狭そうなのは気の毒だ。午後に別の100円ショップに出直してもう少しいろいろ買ってやろうと思っていたのだが、豪雨により断念。夕方に新しい餌ゼリーに入れ替えてやると、2匹とも同じポーズで餌にかぶりついている。可愛いもんだ。


8月9日(月)
夕方に餌ゼリーを交換しようとしたら黒兵衛が脱走を図り、指にしがみついてよじ登ってきた。意外と痛いもんだ。そういえばこいつは最初に捕まえたときも脱走を図ったっけ。元気な奴だ。
茶太郎の虫かごは保水ジェルが水っぽかったらしく、下の部分が泥沼状になっていたので土を足してやる。


8月10日(火)
明け方5時頃から2匹のうちのどちらかがカサカサ蠢きだし、その音で目が覚めてしまった(隣のプーは熟睡していた)。この日は妻も一日外で仕事だったので、虫かごをどこに置くか迷ったがリビングに置いておいた。エアコンの冷気が残るかな、と思っていたのだが、午後から思いのほかいい天気になったので部屋の温度もだいぶ上がってしまったようだ。
この日は急な仕事で残業だったので帰宅後の午後9時過ぎに餌を交換する。今日はバナナにしてやることにしたが、2匹とも食いつきがよくない。
夜になって茶太郎がずいぶんガサガサ動いているので見てみると、泥沼化した土の上でひっくり返ってもがいている。どうも嫌な予感がするが為すすべが無い。とりあえず土を少し入れ替えてやり、通常の体勢に収まったのを見届けて1時半すぎに床につく。


8月11日(水)
朝起きてみると果たして茶太郎はひっくり返ったまま動かなくなっていた。儚い命だった。私の飼い方が悪かったか、と心で詫びる。黒兵衛は大人しいがとりあえず生きているようだ。
帰宅後にプーと2人で茶太郎をマンションの植栽部に埋葬。短い間だったが一緒に過ごしてくれてありがとう。成仏しておくれ。
ついでに100円ショップでいくつか買い足し、黒兵衛のカゴもだいぶ汚れてきたので空いていたカゴに新しい環境を作って入れ替えてやる。黒兵衛はカゴの蓋にしがみついている。また脱走の機会を窺っているのだろうか? しかし昨日与えた餌がほとんど減っていないのが気になるところだ。


以下続く。

*1:恥ずかしながら生き物を買って長生きしたためしがないので、無益な殺生はあまりしたくないのだ。

*2:ちなみに他にもマスのつかみ取りやら何やらの子どもメニューがあり、全てセットで申し込むようになっている。