ウィルス騒動 その3

帰宅後やることはたくさんあったはずなんだがどうにも全身がだるくて何をやる気もでないのでひたすら寝る。気が付けば午後1時近く。寝ている間に妻から何度かメールがあったようで、「入院準備のためにいったん帰るので入院の荷物を用意しておいてくれ」とのこと。いつもの5分の1くらいの俊敏さで準備をしていると妻が帰宅。幸い妻の両親が近くに住んでいるので、義母にプーの付き添いを頼み、義父の運転する車で戻ってきたようだ。話を聞くと、プーについては「おそらくウィルス性胃腸炎からくる脱水が原因で痙攣したと思われるが、先天的に痙攣しやすい体質である可能性もゼロではないので血液検査をする。体調がおさまるまで1週間程度入院」とのことだ。どうやら命にかかわる事態ではなさそうで一安心。この時点で「誤飲」の可能性もほぼないだろう。とはいえ1週間の入院で私と妻が交互に24時間体制で付き添いをしなければならないのでそれはそれで大変だ。とりあえずこの日は妻が病院に泊まることになり、準備して荷物を義父の車まで運び、義父と妻を見送って再びベッドに。
私の体調のほうは、腹具合もさることながらとにかく熱と全身の倦怠感、それに関節痛がひどい。朝から何も食べていないにもかかわらず食欲は全くない。熱を測ったところ39度あったので午後の診察開始を待っていきつけの医者に行くことにした。
行ってみると医者はけっこう混んでいて結果的に1時間以上待ち時間があった。日頃ならこの時間を利用して本でも読むんだが、もはや漫画を読む気力さえ起きない。座っているだけでもだるいのでひたすら待合室でボーっと過ごす。診察の結果はやはり「ウィルス性の風邪がおなかに来たんでしょう」とのこと。
そういえばまだ親元にいたころにも同様の風邪をくらったことがある。幸い3連休だったので仕事に支障はなかったんだが、あのときはひどかった。たぶん自分史上最悪の体調だった。夜トイレに立ったらそのまま部屋に戻れずに何時間もトイレの床でへたりこんでいたくらいだ。そのときも2日くらい何も口にできずに、3日目に近所のスーパーまでやっとの思いで出かけてイチゴを1パック買ってきて食べたっけ。子供の頃から「イチゴを腹いっぱいになるまで食べる」というのは夢のひとつだったんだが、まさかこんな形で成就するとは。
結局医者で注射を打ってもらって多少楽になったので、そのときのことを思い出して近所のスーパーに向かいイチゴとリンゴを買ってくる。帰宅後薬を飲んでまたベッドに倒れこむ。本当は洗濯をしなければいけない、ということは十分わかっていたんだがどうしてもその気力が起きずにひたすら横になる。
気が付けばあたりは真っ暗。妻からのメールによるとプーはだいぶ落ち着いている様子だ。とりあえず一安心だ。私も本格的に寝ないと明日に響くということで、ウィダーとイチゴ半パックの夕食を済ませて風呂に入り、もう洗濯機を回す時間でもないので漬け置きしておいた爆弾まみれのプーの服を手洗いだけすませ、「のだめ」を録画するのもすっかり忘れて早々に床に就いた。以下次号。