あれから10年も

本当は昨日書こうと思った話なんだが、「ダヴィンチコード」に夢中でつい日延べしてしまった(笑)。
いまから10年前の4月、4年間の支店勤務から本社に転勤となった。当時住んでいた実家から本社までは1時間半もあれば行けたのだが、本社勤務もそれなりに忙しく、毎日ほぼ終電で帰る生活がほぼ1ヶ月続いていた。「時期によってはもっと忙しくなる」と脅されたのでこりゃいかん、ということでゴールデンウィーク中に不動産屋を回ってアパートを決め、部屋の設備の修理やら何やらの時間を置いてアパートに越したのが確か10年前の5月16日。昨日でちょうど10年というわけだ。
幸い大学も実家から通学圏内で、就職して最初に配属された支店も自宅と同じ市内だったので、26歳にして初めての一人暮らしだった。実家にいた頃は食事の支度やら名にやらも親におんぶにだっこだったため、生活能力がほとんど無い*1状態での一人暮らしは正直不安も大きかった。予定の無い休日などに一日家から出ずに、誰とも口をきかないまま日が暮れていったときの寂寥感は今も忘れられない。CDラジカセなんかも無かったので、ノートパソコンのドライブにCDを入れて音楽を聴いたりしていたっけ。あの頃よく聴いていた曲を耳にすると、いまでもあのアパートの窓からの夕暮れを思い出す。庭の雑草の中に一輪咲いていた水仙はまだあるんだろうか....。
たった10年の間にいろいろなことがあった。結婚し、子を授かり、マンションを買い....。自分のこれまでの37年弱の人生の中でもかなり変化が大きかった10年間だっただろう。いいこともたくさんあったし、そうでないこともあったが、少なくともいま妻子に恵まれ、仕事もまぁそれほどの不満は無く安定し(従って金銭的にもそれほど困窮はせず)、細々ながら趣味のクイズも続けていられているというのはなんとも有難いことだ。
10年前の自分が今の自分を想像できなかったように、今の自分が10年後の自分を想像するのも難しい。平穏無事に過ごしていれば、私と妻は40代後半、プーは中学生になっているはずだ。40代後半になった自分も、中学生になったプーも全くイメージできない。
これまでの10年間にそれなりに浮き沈みがあったように、これからの10年間もそれなりに浮き沈みがあるだろう。浮いているときはいいとして、沈む局面があったとしても家族皆で力を合わせて乗り切って行きたいものだ。

*1:恥ずかしながら言えば、味噌汁も作れなかった。一人暮らしに当たってフライパンを買ったものの、ほとんど使わずに料理はほとんど電子レンジに頼ってばかりだった。