うちの王子ラスベガスに行く その13

マッキャラン国際空港に着陸。滑走路からは「KONAMI」のロゴが入った倉庫らしき建物が見える。広告効果を兼ねて飛行機の乗客にも見えるようにロゴを描いているんだろう。
小さい飛行機なのですぐに機外に出ることができ、MK夫妻と待ち合わせしているバゲージクレームに向かう。長い通路の左右には店舗もたくさんあり、LAXの空港とはえらい違いだ。しかしゆっくり見ている時間も無く素通り。そして噂には聞いていたが空港内にもスロットマシンが設置されている。最後に残った硬貨を使い切るにはちょうどよいのだろうが、それにはまだ早いのでこちらも素通り。途中で「LAS VEGAS」と書かれたゲートのようなものをくぐり、エスカレーターを降りると各種ショーの看板が並んでいる。空港からすでにエンタテイメントの街にやってきたという感覚を満喫させてくれる。
ここで飲料の自動販売機を発見。そういえばアメリカではあまり自動販売機が街中に無いと聞いていたが、全く無いわけではないということか。LAXでペットボトルを没収されており、喉が渇いたので水を1本買うことにする。1ドル札を挿入するが何も起こらない。よく見ると水1本が3ドルもする。物価高い〜。とはいえ諦めるのも癪なので3ドルでミネラルウォーターを入手し、引き続きバゲージクレームを目指す。
トラムに乗ってメインターミナルに移動。トラムを降りると前にもまして多くのショーの看板が所狭しと並ぶ。事前にM氏から教えてもらったとおりに進み、エスカレーターで1階に降りると左右にバゲージクレームがある。さて我々が乗った便はどっちか....と思う間もなく視界に見知った顔が飛び込んできた。もちろんこんなところで偶然知り合いに会うわけもなく、当然MK夫妻である。プーも心なしか安心したような表情だ。何度もお会いしているので、プーにとっても気心知れた大人なんだろう。
すでに到着便の荷物が出る台をMK夫妻が確認してくれていたので迷うことも無く荷物をピックアップし、M氏の先導に従って駐車場へ。ちゃんとチャイルドシートの付いた大型のフォードが今回の足だ。慣れた手つきでM氏がカーナビをいじり*1、いざラスベガスの街中へ! 片側3車線くらいある太い道を少し走ると前方に煌びやかな一角が見えてきた。空港から近いとは聞いていたが、ここまで近いとは....。右手の緑色の建物がMGM、その先がニューヨークニューヨーク、交差点の左はエクスカリバー....などとガイドブックで写真だけは見ていた姿を目前にしながら交差点を曲がり、漆黒のピラミッドの手前で脇道に入った車はルクソールの駐車場に滑り込んだ。大人4人で荷物とプーを手分けし、駐車場とホテルを結ぶ通路を経てルクソールに入る。
....このときの強烈な印象は忘れることが出来ない。はるか上まで吹き抜けになった広い空間(一部は2階の天井に遮られているが)は暗い中にも華やかな光が煌き、スロットマシンの喧騒が辺りを支配している。とはいえカジノという言葉からともすれば想起される鉄火場的イメージではなく、あくまでも洗練された近代的な印象を受ける。そしてその中央にはホテルのテーマである古代エジプトを模した彫像が威容を誇っている。余談ではあるがこのあとラスベガス滞在中に何箇所かのカジノホテルを廻ったが、残念ながらこれほどのインパクトは体験できなかった*2。その意味では、ラスベガスの第一印象としては最適なホテルだったといえるだろう。宿をおすすめしてくれたM氏には改めて感謝の一語だ。
アメリカの建物特有の強い冷房の中をカジノフロアを横切り、チェックインカウンターに向かう。自分の英語が通じるとは思っていないのでおとなしくM氏のお力をお借りしてチェックイン。MK夫妻の部屋は23階だかの高層階だそうで、せっかくなので近くの部屋を手配してもらえるよう頼んでみたが(もちろんM氏が)、残念ながら空きが無いようで、渡されたのは「30**」という部屋番号のキー。「30階!?」と思って一瞬目を丸くしたが、どうやら3階とのこと。さすがメガホテル、部屋番号が5桁なのか....。このホテルの名物(?)のひとつに「稜線に沿って斜めに昇降するエレベーター」があるのだが、1階から5階まではそれではなく普通のエレベーターになっている。ちょっと残念だったが、5階までは四隅に1つずつエレベーターがあり、またフロントまで近いこともあって利便性は良さそうだ。しかも高層階は吹き抜けが通路から見下ろせるようになっていてちょっと怖いとも聞いていたので、そういった意味では3階というのも悪くない。
リゾートフィーとして1泊につき15ドルだか払うのに合意のサインをして、いったんMK夫妻と別れて家族3人で部屋に向かう。部屋は思いのほか広く、内装もエジプト風で居心地が良さそうだ。そしてエレベーターこそ普通の上下動のものだったが、外壁面の壁や窓は斜めになっている。窓の向こうにはマンダレイベイが金色の威容を見せており、眺めも決して悪くない。荷物を降ろし、長旅*3で汗だくになったシャツを着替えているうちにMK夫妻との待ち合わせの時間が近づいてきた。必要最低限の荷物をデイバッグに詰め、いよいよラスベガスを堪能すべく部屋を出発した。

*1:ネバーロストなる商品だが、なんと日本語表示と日本語音声もついている。この「可能であれば合法的にUターンしてください」といういかにも翻訳感満点の音声ガイドはしばらく我が家でも流行語となった。

*2:「ホテルに入ったときのインパクト」という点では、新婚旅行で訪れたフロリダのスワン&ドルフィンのの印象に匹敵するかもしれない。もちろん方向性はかなり違うのだが....。

*3:なんせ自宅を出てから20時間以上が経っている。にもかかわらずまだ日付が変わっていないというのも不思議なもんだ。