うちの王子ラスベガスに行く その14

ルクソールのフロントでMK夫妻と待ち合わせ。基本的にはラスベガスのカジノホテルにはロビーというものがなく、座って待ち合わせをするような場所は無いとガイドブック等には紹介されている。もちろんロビーで長居されるとカジノの収益がそれだけ下がるからなんだろうが、幸いにしてルクソールにはささやかながらもベンチのようなものがあったので妻とプーを座らせているうちにほどなくMK夫妻も現れた。早速駐車場に移動し、M氏の運転でラスベガスの街へ繰り出す。
ラスベガスの中で最も栄えているのが「ラスベガス・ブールバード」という大通りで、この大通りの通称が「ストリップ」という。もともとストリップとは「細長い布」という意味があるので全くいかがわしいものではないのだが、うっかり事情を知らない人に「ラスベガスに行ってきました。ストリップが賑わっていたのでずっと見物していましたよ」などと言うと確実に誤解をされるだろうから注意が必要だ。ということで今後特段の注意書きが無い限り*1このブログ内では「ストリップ」といえばラスベガス中心部の大通り、またはその通り沿いの繁華街のことを指すので誤解なきよう願います。
ということでまずはストリップの南端*2にある「ラスベガスサイン」へ。ラスベガスのイメージ映像などでよく使われる「ウェルカム・トゥ・ファビラス・ラスベガス」と書かれた看板だ。今でこそロサンゼルスからラスベガスには高速道路が走っているが、かつてはこの通りをはるばるやってきた訪問者を出迎えるべく建てられたものなんだろう。間近で見るとそう大きいものではないのだが、中央分離帯の中に駐車場らしきものがあり、簡単な記念撮影などもできるようになっている。実際に何も無い砂漠をひらすら走ってきた末にこの看板とその先に浮かび上がる繁華街を見ればさぞや感慨が深かったのだろう。しかし残念ながら我々はLAXからひとっ飛びでやってきて既に繁華街も目にしてしまっているので、ここは車窓から見るだけにして一転ストリップを北上する。左手で金色の威容を誇るのがマンダレイベイ、その北に鎮座する漆黒の四角錐がわれらがルクソール、さらに北には御伽噺から抜け出してきたようなエクスカリバーが並ぶ。交差点を過ぎて左にニューヨーク・ニューヨーク、右にMGMグランドを見ながら北上する。既に7時を回っておりあたりはやや暗くなり始めた頃。MK夫妻の解説を聞きつつ、車窓からストリップの賑わいを堪能する。右手にはパリスのエッフェル塔と気球、左手にはベラージオの湖。ガイドブックを見ているだけではなかなか全体像が思い浮かばなかったが、こうして実際に見てみるとやはり見ているだけでも面白い。そしてものすごく活気とリゾート感に溢れているのが車窓からでもわかる。
さらに交差点を渡ると右手には有名なフラミンゴのネオンサイン。その隣にはお目当ての「MATSURI」上演中のインペリアルパレス....があるはずなのだが、あっという間に通り過ぎてしまった。そういえばなんとなく五重塔風の外観が見えた気もする。
このへんで道がやや右に折れ、ベネチアンやミラージュを過ぎたあたりからやや賑わいが薄れてくる。ショッピングモールを過ぎ、工事中の区画などを横目にさらに走るとサーカスサーカスのピエロの看板が見えた。ここは屋内遊園地が充実しており、ファミリーには最適とのことだが、いかんせん中心部からやや遠いのでここへの宿泊は回避したところだ。とはいえ2日後の行先として最有力なので、場所は覚えておく(一本道なので間違えようが無いが)。
更に北上してボナンザなるだだっ広いお土産屋を過ぎ、目の前に聳えるタワーがストラトスフィアだ。M氏が始めてラスベガスに来たときには炎天下ニューヨークニューヨークからここまで歩いたらしい。車でも15分くらいかかった気がするが....。凄い体力と根性だ。登ってみるか、とM氏に水を向けられたが、残念ながら高いところにはあまり興味が無い(というよりもどちらかというと苦手)なのでパスし*3ダウンタウンに向かうことにする。
ストラトスフィアを過ぎるとさしものストリップの賑わいも下火となり、かつてグアムで見たようないかにもなアメリカの下町?の街並みが続いている。日も落ちており心なしか薄ら寂しい感じもする。このへんは質屋が多いらしい。そして少し走るとまたちょっと開けた場所に辿り着いた。といってもストリップ中心街のような奇抜な建物が乱立するわけではなく、少し落ち着いた感じの繁華街だ。ここがいわゆる「ダウンタウン」で、そもそも旅客鉄道の駅があった頃には*4ここがラスベガスの中心地だったらしい。ということで有料の立体駐車場に車を入れ、夕食がてらダウンタウンを見物することとなった。

*1:注意書きを要する記事を書く予定も無いが....。

*2:道路自体はもっと先まで続いているのだが、繁華街としてのストリップとしてはここが南端と言っていいだろう。

*3:しかし聞くところによれば「ミシシッピ川より西で最も高い建造物」だそうで、おそらく展望台からの夜景は一望の価値があったに違いないから、今思うと登っておけばよかった気もする。しかしそれに要する時間を考えるとやはりパスして正解だったか。とにかく実質2日強の滞在では何もかも見て回るには短すぎるのだ。

*4:今は貨物のみらしい。