うちの王子ラスベガスに行く その16

ダウンタウンの駐車場に向かう。来たときも感じたがこの駐車場、決して治安の悪い雰囲気というわけではないものの、殺風景で人けも少ない。外国ということもあり、夜に一人でうろうろするのはいささかはばかられる感じだ。今回はまぁ大人4人(と子供1人)で固まって行動したのでさほど不安も無かったが....。
駐車場からは再びM氏の運転。先ほどは観光がてらにストリップをひたすら流したが、基本的にはストリップは混雑するので、急いで移動したい場合は裏道のほうが早いらしい。ということでストリップから1本東に入った道を移動する。
この道がまぁ、ストリップの喧騒とは比べ物にならないほど静かで暗く、そのギャップに改めて驚かされる。もちろんそれなりのホテルがあったり一部は上をモノレールが走っていたりするなど、全く何も無いわけではないのだが、ここはさすがに夜に徒歩で行動するのはちょっと、というところ。そう考えると車に頼らずに行動したければストリップ沿いのホテルに宿泊するのが望ましい、というガイドブックの記載も頷ける。
大人4人で四方山話をしつつストリップ中心街に戻ってくる。その間プーは頑張って起きている。この後に楽しいことが待っていると信じて疑っていないんだろうし、それを励みに起きているんだろうが、それにしてもたいした体力だ。そのプーの期待に応えるべく、もう夜も遅いがルクソールの隣にある「エクスカリバー」というホテルに連れて行ってやることにする。前にも書いたかもしれないがラスベガスのホテルは単なる宿泊施設に止まらず「アミューズメント施設」としての側面も大きく、それぞれのホテルが様々な趣向で客を楽しませようとしてくれている。それはそのホテルに宿泊している客のみではなく、誰でも気軽に楽しめるものがほとんどだ*1。そしてこの「エクスカリバー」は御伽噺に出てくる中世のお城がモチーフとなっており、地下に巨大なゲームセンターがあって家族連れにはお勧めのホテルとされている。そのゲームセンターに連れて行ってやろうというのだ。
ということでエクスカリバーの入り口付近で降ろしてもらい、MK夫妻と別れてここからは親子3人の行動だ。案内してもらわない「3人だけのラスベガス」はほぼ初めてになるので、緊張と興奮を感じつつホテルに入るとやはりそこはいきなりのカジノ。ゲームセンターは地下とのことなので地下に降りていく。階段をおりて180度転回するとそこにはゲームセンターの入り口。奥行きはどれくらいあるのかわからないが、とにかくでかそうだ。しかし夜遅いこともあって客はほとんどおらず、プーが面白がりそうな巨大な機械仕掛けのゲーム(ボールを投げて的に当てたりするやつとか)は残念ながらクローズしている。しかし営業していることは確かなようだし、日本のように夜6時以降は何歳未満は立ち入り禁止とかそんな規制はないようだ。ということで目を輝かせているプーに早速面白そうな奴を吟味させる。真っ先に食いついたのがホッケーのゲームだ。日本のゲーセンにもあるような(最近はないかもしれないが)、棒を引っ張ったり回したりして選手の人形を動かすタイプのやつだ。どうやらニッケルを何枚か投入して遊ぶようなので、1ドルを両替して遊ばせてやる。プーは大はしゃぎだ。しかし2回ほどプレイしたところで係員がやってきた。どうやら午後11時にクローズらしい。しかしまぁ、これが朝まで営業しているようだとプーを帰らせるのに一苦労だろうから、いいタイミングといえばいいタイミングだ。プーもまだまだ遊びたいようだったが、まだ明日以降もお楽しみがあるのでここはおとなしく引き下がった*2
エクスカリバールクソールは経営母体も同一らしく、外に出なくても通路でつながっているらしい*3。カジノを抜け、エスカレーターで2階に上がり、既に閉店しているショップ街を通り過ぎる。ここにも魅力的な店がたくさんあるので、時間があれば来てみたいところだ。動く歩道やら動かない歩道やらを通っていき、早くも懐かしく感じる独特のスタイリッシュな雰囲気に変わるとそこはもうルクソール。ここの店も残念ながらほとんど閉まっている。まぁ、宿泊しているんだからいくらでも来るチャンスはあるだろう。
遅い時間とはいえ軽い飲食店などは24時間開いているらしく、スターバックスを発見。ガイドブックによればこのへんの大きいホテルにはたいがいスターバックスが入っているらしい。アメリカでもやはりシアトル系のトップランナーなんだろうか*4? 妻はコーヒー、私は紅茶系のドリンクを購入して部屋に戻る。さすがに疲れたー。とりあえずプーもさすがに眠そうなのでとっとと風呂に入れることにする。
しかしこの風呂が意外と厄介だった。そもそもバスタブが無くシャワーのみ。まぁそれはホテルを予約する時点でわかっていたのだが、アメリカの暑さは日本の蒸し暑さとは違うだろうし、シャワーだけでもまぁ不自由はするまいと思っていた。しかしこのシャワーが、日本でよくあるような手に持って自由に動かせるタイプのものではなく、天井に据えつけられていて動かせないタイプのものだったのだ。我々大人はまぁいいが、プーにとってはどうやらこれが怖いらしく、どうしても入ろうとしない。お湯を汲み置いて洗ってやろうにも洗面器も無い。とはいえ今日の長旅でさぞや汗もかいただろうから、シャワー無しで寝かせるわけにもいかない。なんとかなだめすかしてシャワーブースに引き込むが、シャワーが出てくるともう大泣きだ。やっとの思いで体と頭を洗ってやり、外で待っていた妻に引き渡す。しかしここまでプーが抵抗するとは誤算だ。明日どこかで洗面器を調達しなくては....。

*1:もちろん年齢制限とか予算の壁とか言葉の壁とかで、我々にとってはそれほど「気軽」でないものも多いのだが。

*2:まぁ、さすがに眠いのもあったんだろう。

*3:ちなみに無料のモノレールもあるが、エクスカリバーから乗るとルクソールを通過してさらに南のマンダレイベイ(これも同じ経営母体)まで直行してしまうらしい。逆方向は各駅に停まるらしいのだが。

*4:そういえばシアトルズベストは見かけなかった気がする。