はじめての一泊旅行 その4

プーは家では畳に布団を2組敷いてやり、片方にプー、もう片方に私と妻が一晩交代で一緒に寝ることにしている。昔はベビーベッドを使っていたんだが、立ち上がったりすると危ないのと、和室のほうが台所に近くミルクやりに便利なのとでこういう形になった。
外で泊まるにあたって気を使うのはプーの寝場所だ。和室がとれれば理想的なんだがホテルだとなかなかそんな気の利いた部屋はへやはない(あっても高い)のでダブルの部屋を取って真ん中にプーを寝かせ、両脇を私と妻が固める体制で寝ることにしていた。
ところが妻が名案をひらめいた。部屋にあったソファーが肘つきで、しかもベッドよりも若干低い高さなので、これをベッドの脇に引きずっていけばちょうどプーが収まって四隅にガードのある手ごろな寝台ができるのだ。早速ためしてみてうまくいきそうだったのでプーをそこに寝かせ、ダブルベッドのプー寄りに妻、その横に私と川の字で眠りについた。夜中に何度かプーが目を覚まして泣いて妻がミルクをあげていた、というのは記憶にあるのだが....。
電話の受話器がはずれてツーツーと音を立てているのに目を覚まされた。どうやらプーがベッドサイドの電話の受話器を蹴り上げたらしい。そしてなぜか妻がプー用のソファに身を縮ませて寝ている(もちろんこの音で目を覚ましていたが)。話に聞くとプーがベッドのほうに侵入してきて眠れやしないので夜中にプーと入れ替わったようだ。プーの寝相の悪さにも困ったもんだ。私一人で安眠をむさぼって申し訳ないが、まあ今日も運転があるので勘弁してもらおう。
ということで早々に起こされてしまったので(といっても7時頃だったけど)早めに身支度を整えて朝食へ。このホテルバイキングもかなり楽しみにしていたイベントのひとつだ。最近のプーは食欲がだいぶ旺盛になってきたので2人前たのんで取り分けると私と妻の分がかなり食われてしまう。なのでプーが無料になるバイキングはありがたい。まして天下のインターコンチだ。きっと美味しいに違いない。
そして期待に違わず、部屋もきれいだし料理もおいしい。しかしプーは朝から元気であちこち走り回る。その都度また私と妻が追いかける。落ち着いて食べられやしない。休み休み(いや、走り走りか)食べていたらすぐにおなかが膨れてきてしまった。まだ食べたいのに....。しかもプーの機嫌も下り坂になってきたのでそろそろ収束に向かうべく皿にメロンを山盛りにして盛ってきたところ、これをプーが食うわ食うわ。あっという間に残り4切れくらいになってしまった。メロンが朝食最大の楽しみなのに....。これがバイキングでなかったら激怒していたかもしれないが、そこは食べ放題の有難さ、もう一度山盛りを取ってきて堪能する。結局我々一家だけでメロンを30切れくらいいただいてしまった。これだけで元が取れたんじゃないか?(そんな甘くないか)