ウィルス騒動 その2

大急ぎでプーの爆弾処理をし、自分も着替えてデイバッグにオムツとナップとビニール袋を詰め込んで家を出る。とりあえずマンションのエントランスに向かうと、なぜか救急車がまだ停まっている。どうやら受け入れ先の病院を当たっているところらしい。後ろの扉は閉まっているので中の様子はわからないが、運転席の救急隊員と話して「○○医院に受入れが決まりました」とのことなので車で追いかける。この医院は駐車場までけっこう距離があるので私が医院のドアをくぐった頃にはもうだいぶ時間が経っていたが、どうやらまだ診察してもらっていない様子だ。プーは妻に抱えられて泣き喚いている。そのうちようやく医者が現れて診察。「癲癇の可能性があるので大きい病院で入院したほうがいいです。紹介状を書きますので待合室でお待ちください」とのことで親子3人待合室へ。プーは相変わらず泣き喚いている。救急隊員も2人待合室で待機してくれている。何も知らずに来た普通の外来の人がただならぬ雰囲気にびびっているようだ。そりゃそうだろうな。私だって普通に医者に行ったら待合室で子供が泣いていて救急隊員が立ってたらそりゃびびるよ*1
20分以上待っただろうか? ようやく「△△病院に連絡がとれました」とのこと。例によってプーと妻は救急車で、私は自分の車で病院へ。
この病院は5年くらい前に建て替えられて新しくなった市立病院で、自分も何度か行ったことがあるがとにかく市立の総合病院ということで自分としてはかなり信頼している病院だ。ただとにかく混んでいるのが難点。そしてそれはこの日も例外ではなく、駐車場の入口から車は長蛇の列。救急車はとっとと入っていったんだろうが普通の乗用車、しかも病人が乗っているわけでもないのでそうするわけにもいかずおとなしく列の最後尾につく。ここでまた10分以上待たされた末にようやく駐車場に車を入れて雨の中走って受付へ。「いま救急車で運び込まれたプーの父親なんですが....」というと受付があちこちに内線をかけてくれたがなかなかつながらなかったり、そこではなかったりでプーの所在がわからない。だんだん心配になってきたが何度目かにかけた内線がビンゴだったようで「すいません、外来の小児科でした。実はさっき2歳の子が交通事故で運ばれてきたものでそっちかと思って....。事故じゃなくてよかったですね」とのこと。別にこっちだって良かぁないんだが、悪気は微塵も感じられなかったので気にせずに場所を聞いて2階へ急ぐ。待合室をぐるりと見渡したが見当たらない。泣き声が聞こえてくればそっちに行こうと思ったがそれも聞こえない。そのうち自分の腹がグルリと言い出した。昨日からの腹下しがそろそろ限界にきたようで、プーも心配だが自分の生理的欲求を最優先する。待合室に戻ってもまだいないので受付に「いま救急車で運び込まれたプーの父親なんですが....」と声をかけているまさにそのとき、妻が私を探しにやってきた。妻に案内されて診察室に行くとプーが点滴だの計測用の導線だのいろいろ付けられてベッドに横たわっている。おとなしく寝ているようだがどうやら何かしらの薬が効いているようだ。医者の説明では、検査している最中にもう一度痙攣を起こしたとのこと。とりあえずやはり1週間入院とのことで、いったん総合受付まで戻って入院の手続をして待合室でしばらく待つ。しかし私はその間にもトイレまで何往復もする始末。こんなときに....。
しばしの後、入院の準備ができたようで妻がプーを抱え、私が荷物を持って看護師さんに先導されて病室へ。幸い個室でトイレもついている。最初に渡された入院の資料だと「付き添いは不要」とあったが、どうやらそれは大人の話のようでやはりプーくらいの年齢だと付き添いが常時必要のようだ。そりゃそうだよな、夜泣きするくらいなんだから。
その後しばらく病室にいたが私は相変わらずトイレに行ったり来たり。いい加減見かねた妻から自宅送還の指令が下り、妻とプーを残して私一人でいったん帰宅することにした。熱っぽい体でハンドルを握り、いったんコンビニに寄ってウィダーとレモンウォーターを購入して帰宅。そのままベッドに倒れこんだ。以下次号。

*1:もちろんこんなことは後で落ち着いてから思ったわけであって、その時点ではとにかくプーへの心配と「早く連絡しろ〜」という医者へのイライラで頭が一杯でそんなことを思う余裕はなかった。