うちの王子ラスベガスに行く その18

ホテル泊まりは寝苦しいことが多く、たいがい目覚ましより先に目が覚めてしまう。この日もそんな感じで予定よりやや早く目を覚ます。カーテンの隙間からはもう朝の気配を感じる。今日もいい天気のようだ。
妻も起きてきてプーを起こし、カーテンを開ける。空は広く青く、正面にはマンダレイベイが朝日を受けて金色に輝いている。改めてラスベガスに来ていることを実感する。道には早くも車が行き交っており、もう街は動き始めている時間だ。とりあえずテレビをつけつつ出かける支度。しかし子供の支度は意外と時間がかかり、MK夫妻との待ち合わせ時間には間に合いそうも無い。慌てて電話し、待ち合わせを30分遅らせてもらう。
そんなこんなで支度を済ませて朝食へ。今日の朝食はこのホテルの「バフェ」に行ってみることにした。このバフェというのは日本語でよく使う言葉で言えば「ビュッフェ」に当たるんだろうが、要するにバイキング形式のレストランだ。ラスベガスのメガホテルには大概備え付けられている。聞くところによればもともとカジノへの客寄せのために、安い値段で豪華な料理を提供するために設置されたのが始まりのようだが、最近ではバフェそのものに人気が出ており、必ずしも安いとはいえないような値段らしい。とはいえせっかくの機会だし、朝は他の店もそれほどやっていないだろうから、ということで行ってみることにした。
ルクソールのバフェは「モア」という名前で、カジノフロアからさらに1つ降りた地下にある。カジノを抜けてエスカレーターで地下に降りるとけっこうな列ができていた。しかし席数がかなりあるということもあって流れはよく、レジでキーを見せて部屋にチャージ。宿泊予約にあたってホテル内で25ドル分の飲食が可能となっていたので、それを差し引くと親子3人で10ドル弱といったところ*1。結果的にはこの旅行中にルクソールのレストランでの飲食はこのときだけだったので、ここで使っておいて正解だった。
ウェイトレスさんに席に案内される。もともとホテル全体が古代エジプトをモチーフにしており、ここはピラミッドの地下ということになるということもあって、やや薄暗く静かな印象だ。カジノの喧騒も全く聞こえない。まずは妻とプーが料理を取りに行き、自分は荷物の番をしていたがなかなか戻ってこない。時間もあまりないので貴重品を携えて自分も料理台に向かう。
料理台にもけっこうな列ができている。というか、料理台がものすごく長い。ということは料理の種類も実に豊富だということで、しかもどれもこれも実にうまそうだ。目に付いたものだけを取っていったがあっというまに皿が一杯になってしまった。
山盛りの皿を手に席に戻ると妻とプーは早くも食べ始めており、ついでに飲物も頼んでおいてくれていた。バイキング形式でありながら飲物だけはウェイトレスさんに注文する仕組みになっている。聞くところに寄れば労働組合とかとの関係でそうなっているそうで、やや面倒だが仕方あるまい。そしてしばらくすると巨大なグラスに入ったアイスティ2つと牛乳がやってきた。我々はともかく、プーにはでかすぎないか....。
料理に手をつける。うまい。実にうまい。私はたまに遠出するときにはホテルの朝バイキングをひそかな楽しみにしているのだが、ここはこれまでに味わった中でもトップクラスにうまい*2。中でもパンプディングが素晴らしい。昨日からやや食べすぎ気味だったこともあり、あっという間に満腹になる。デザートコーナーは別に用意されていたのだが、到底そこまで手が回りそうも無いので泣く泣く断念。
妻とプーも食べ終わり、気がつけばMK夫妻との待ち合わせの時刻を少し回っている。皿を片付けるべきなのか少し迷ったが、放置されているテーブルもあったのでそのままにしておく。チップについても悩ましかったが、一応案内やドリンクのサーブを受けたこともあり、とりあえず5ドル札を置いていくことにして大急ぎで待ち合わせのフロントに向かう。

*1:ちなみに子供が何歳から料金がかかるかはホテルによるのだが、幸いルクソールのバフェは5歳からだったので、4歳のプーは無料で済んだ。有難い。

*2:もっとも妻はそれほどまでの高評価はしていなかったので、もしかしたら雰囲気とか異国の高揚感とかがそう思わせたのかもしれないが....。