朧月夜

プーの寝つきが悪いときにたまに子守唄がわりに歌を歌ってやっている。先日「朧月夜」を歌っているときにふと気付いた。二番の「さながらかすめる朧月夜」の「かすめる」は「掠める」だと長い間ずっと思い込んでいたのだが、これは「霞める」が正しいのではないだろうか。そう思って歌ってみるとなんと趣の深い歌であることか。この歳になって今更気づくのも恥ずかしい話だが....。

あれから10年も この先10年も

今日は10回目の結婚記念日だ。といっても折悪しく仕事の繁忙期に当たってしまい、まともなお祝いらしいお祝いもできなかったが....。
そんなわけでゆっくり振り返って記事を書く時間も無いが、まずは10年前に同じ場所で同じ時間を過ごさせていただいた皆さんの多くと、今でも何らかの形で御縁が続いているということに感謝したい。
そして残念ながらいまは疎遠となってしまっている方も含めて、いまの自分たちがあるのは、あの時集まってくださった皆様と、その他にいままでに自分たちと御縁があった皆様すべてのおかげだということを、この記念すべき日に改めて心に刻むことにしよう。
皆様10年間ありがとうございます。これからも引き続きお見守りいただけますよう、よろしくお願いいたします。

プー、6歳の日に

今日はプーの誕生日。早いものでもう6歳だ。幸いこの1年も大きな病気も怪我もなく*1健康に過ごしてくれている。あれほどしょっちゅう通ったかかりつけの小児科の先生にもすっかりご無沙汰している。
6歳ということはプーが生まれてからもう6年経ったわけだが(当たり前だ)、3歳になるまでの3年間が無限とも思えるほど長く感じたのに対し、その後の3年間はずいぶん早く過ぎてきたように感じられる。まぁ、自分がそれだけ歳を重ねているということもあるのだろうが....。
ということで例によって定点観察を。現在の身長は110センチをちょっと超えたくらい、体重は18キロ弱といったところ。身長は5センチほど伸びたようだが体重があまり増えていないのが気がかりだが、最近食欲が旺盛になってきたのでいずれドカンと重くなる気がする。
このところのプーは本当にしっかりしてきた。昨年の誕生日のブログでは「洋服の胸元や袖口を噛む癖が治らない」と書いているが、いまやすっかりそんなこともない。わがままを言ったり駄々をこねたりすることもほとんど無く、言いつけは基本的に守っている。
相変わらずゲームが大好きで、1日1時間の約束をしっかり....とまでは言えないが概ね守って楽しんでいる。こっとも多少の時間オーバーは我々親も黙認しているのでプーのせいばかりとは言えない。それでも「もうやめなさい」といえばすぐにやめてくれている。以前駄々をこねてゲーム機を捨てられかけたのがよほど堪えたのだろうか(笑)。
ゲームであそぶ代償?として、1日に少しだけでもワークブックをやる約束をしているのだが、立派なことにこれもちゃんと続けている。プーも今のところはすらすら解けるのでさほど苦にする様子も無く、休みの日などは朝起きて朝食の前にワークブックに向かうこともある。我々も見習いたいくらいだ(笑)。その成果なのかどうだかわからないが、たまにびっくりするくらい賢いことを言い出す(←親バカ)。先日テレビで仮面ライダーの特集を見ていて、仮面ライダードラゴンナイトなるアメリカ版ライダーを紹介していたのだが、見ていたプーが「これって仮面ライダー龍騎のことだよ。だって『ドラゴン』と『ナイト』だもん」などとのたまわったのには心底びっくりした。
そんな状態ではあるがまだまだ可愛いところもある。一人っ子ということもあってか、家の中ではプリンのぬいぐるみたちを弟だか子分だかに見立てて、時には可愛がり、時にはバトルを繰り広げたりしている。現実との見境がつかないのならやや心配だが、保育所では仲良しの男の子とサッカーだのブランコ遊びだのに興じているようなので、どうやら心配ないようだ。
トイレは最近大小ともに一人で行くようになったが、風呂はまだ一人では入れない。そして寝るときはしょっちゅう「とうちゃんと一緒に寝る〜」などと添い寝を求めてくる。そこでうっかり自分も寝付いてしまい、気がつけばもう本当に寝なければならない時間ということもしばしばだ。そんなことが続くようだと私は家で何かをする時間がなくなってしまうが、まぁ父親に添い寝をさせてくれるのも今のうちだけだろうから、その幸せを有難く噛み締めることにしている。しかし寝相が悪く毎晩のようにぶつかってきたり掛け布団を奪い取ったりするのだけは、早いところなんとかなってほしいものだ。
いま夢中になっているのは前述のようにゲーム。今年は誕生日プレゼントを少し前倒ししてニンテンドーDSLLとポケモンのソフトを買ってやり、父方の祖父母にはヨッシーアイランドなるソフトをおねだりした*2ので、いまはその2つを交互に遊んでいる。そして何の弾みか「スライムもりもり」なる漫画にも夢中で、暇さえあれば読んでいる。そして私に対してはポケモンやらスライムもりもりのことばかり話しかけてくる。私としてはもう少し普通の会話がしたいのだが....。
いずれにしても、6歳になってもプーは相変わらず可愛い。「幼児」として括られるのはもう残り1年になってしまったが、この6歳児特有の可愛らしさを今年も満喫していきたいものだ。

*1:強いて挙げれば保育所のお友達とぶつかって前歯がぐらついて運ばれたくらいか。

*2:ちなみに妻からはグローブとボールが贈られた。

人として、組織の一員として、そして

地震から半月が経った。
幸いにして我が家は全員怪我もなく無事、双方の実家も無事、親戚も被災したという話は伝わってこない*1。そして自分は職住近接で徒歩通勤のため、帰宅困難にもならず間引き運転とも無縁で普通に通勤できている。物資不足で多少の不便はあったが、もともと我が家は日ごろから米などは少し買い置きしていたので*2、それほど本格的に困ることはなくとりあえず日々を過ごしている。
にもかかわらず、どうも気が滅入る日々を送っていた。もちろん被災された方々のことを思って沈鬱になるということもあったし、原発どうなっちまうんだろうなどという将来に対する漠然とした不安もあった。しかしそれらのことに劣らず気が晴れないのは「自分は何をやっているんだろうか」という苛立ちのためだったんだろう。
テレビや新聞で被災地のことを報じられるのを見聞きして、一人の人間としては、現地に飛んでいって少しでも何かできることをしたい、という気持ちで一杯だった。実際に何人かの知人は現地に向かい、持ち前のスキルや知識を揮って支援や復興に向けて尽力している。自分には何のスキルも知識もないけれど、もっこ担いだり物を配ったりするくらいのことならできるかもしれない。
....しかし残念ながら、自分は組織の一員として、会社から与えられた仕事をしてお金をいただいている身分だ。そして自分が所属している最小単位の組織では、いま期限が決まっている仕事を抱えて全員で頑張っている。期限といっても規則で決まっているだけなので、本当はそんな期限に間に合わなくても誰かの命にかかわるとかそんな性質のものではない。言ってみれば「不要」とはいわないまでも「不急」の部類に入る仕事のはずだ。とはいえ規則で決められた期限を守るためには急いでやらないといけないし、実際組織の一員としてその仕事に全力投球する日々だったのだが、はたして日本全体が緊急事態に対応するために一丸となっている中で、こんなことをしていていいのだろうか?という、やり場のない苛立ちを抱えながら日々事に当たっていた。
ある晩そのような愚痴を妻に話したところ、妻からは「もしあなたがその『震災と関係のない仕事』のために被災地に向かわないのだとしたら、私はその『震災と関係のない仕事』の存在に感謝したい」という趣旨の返事があった。
恥ずかしながらこのときに初めて気がついた。人として何をすべきなのか、組織の一員として何をすべきなのかを考える前に、自分は一家の柱として、妻と子供のために何をすべきなのかを考える必要があるのではないか。そして、少なくとも自分が長い間家を空けることは、いま妻と子供のためになるとは思えないではないか。
....それに気がついてからは、だいぶ苛立ちも治まってきた。冷静に考えれば、私ごときが徒手空拳で被災地に行ったところで足手まといになるのがオチだろうし(任務を与えられて組織から派遣されるのであれば別だが)、今は今の自分にできることをやるしかない。そして今の自分にできること、かつなすべきことは、「自分の所属している組織がするべきことを、通常どおりにこなす」ということ、そして「妻と子供を守る」ということだ。
自分は事務屋だ。原発を止める知識もなければ、怪我人や病人を救う技術も持ち合わせていない。瓦礫を撤去する訓練も積んでいない。でも、このような災害が起こって真っ先に必要とされるのは現場のプロフェッショナルだとしても、いつか復興に向けて、事務屋の力が必要とされる時期が間違いなくやってくるはずだ。そのときこそ我々の出番だ。そう信じて、今は目の前の仕事と家庭に全力で臨むことにしよう。

*1:うちは分家の分家のそのまたくらいに当たるんだが、大元の本家は八戸らしいので、もしかしたら本家筋では被災された方がいたのかもしれない。しかしそもそも八戸の本家筋とはもはや全く縁が無いので、知る由もない。

*2:インフルが流行して外出が困難になったときなどに備えて。

古来稀なり

私事だが(←このブログの内容なんてみんな私事なんだが)、3月3日は私の父親の誕生日だ。昭和16年生まれなので今日で古稀ということになる。幸い心身ともに健康でいまもって現役で仕事をしてくれている。有難いことだ。
生来の不孝者である私は祝いの品など何一つ用意していない。せめて電話で孫の声でも聞かせてやろうと思っていたのだが、突発的に仕事がらみで厄介事が発生して帰宅が遅くなってしまい、それもかなわなくなってしまった。せめてこの場を借りて寿ぐことにしよう。
古稀おめでとうございます。いつまでも健康で長生きしてください。

今日は何の日

1年ほど前に「子供に聞かせるお話365日」的な本を購入し、プーが5歳になった日から夜寝る前に1話ずつ読み聞かせてやっている。
で、今夜の会話。
私「今日は2月22日だよ。何の日でしょう?」
プ「しらなーい」
私「2・2・2・で『ニャン・ニャン・ニャン』だよ」
プ「あ、ねこの日!」
私「正解」
プ「じゃあ今日のおはなしもねこのはなしかなー」
私「どうだろうね」
そして本を開くと、今日のお話はなぜか「犬が好き」。狙っているのか偶然なのか....。

うちの王子ラスベガスに行く その21

後で聞いた話によればどうやらおじさんは大阪に息子さんが住んでいて、それで日本に行ったことがあったらしい。そんなこともあって気さくに話しかけてくれたのかもしれないが、しかしこのおじさんに限らず、今回ラスベガスで出会った方は総じて親切で、我々が日本人であることゆえの不利益は全く感じなかった。世界中から客が集う一大観光地だからなのかもしれないが、いずれにしてもありがたいことだ。
さておじさんとひとしきり立ち話したあと、いよいよレッドロックキャニオンの観光に向かう。ここには「シーニックループ」という一方通行の環状道路が整備されていて、今日はそこをのんびりと車で一周することになっている。名の通り観光そのものが目的なので、沿道には人家や店舗などは全く存在しない。施設としてあるのは展望ポイントや休憩所くらいで、走っている車も基本的には観光客の車ばかりだ。もちろん歩行者もいない。
運転するのにこんなに安全な道があるだろうか....ということで、M氏の御好意によりしばらく運転させていただくことにする*1。海外での運転も初めてなら左ハンドル車も初めてだ。緊張しつつバックで発進し、駐車場からループ道路に出る。意識していたのでウィンカーと間違えてワイパーを動かすというお約束のミスこそしなかったが、やはり慣れるまでは一苦労だ。しかし幸いなことに車もそれほど多くなく、また道も奇麗に整備されておりわだち等もほとんどない。やや安心しながらしばらく走る。油断するとついつい車が左に寄ってしまうのは御愛嬌か。サングラスがないのでいささかまぶしいが、幸い太陽に向かって走る方角ではなかったのでなんとかなる。ものの5分もしないうちに運転そのものの違和感はなくなり、周囲の景色を堪能する余裕が出てきた。空はどこまでも青く、目の前は荒涼たる砂漠、その背後に岩山が聳えている。アニメ映画の「カーズ」で見たような光景だ。日本では到底見られまい。実に爽快なドライブとなった。
のんびり走っているうちにちょっとした駐車場があるので車を停める。ここは景観スポット兼トレッキングルートの出発点になっているようだ。眼前にでかい岩山がせまり迫力十分。K嬢が持ってきた双眼鏡を借りていろいろ眺めてみる。景色の写真を何枚か撮り、せっかくなので皆で記念撮影。時間があればトレッキングにも挑戦したいところだが今日は予定が詰まっているので断念し、再びドライブを続ける。
しばらく運転させてもらう。全くの砂漠地帯のようだがところどころに枯川がある。ここに雨が降ることは年に何回くらいあるんだろう? さっぱり見当もつかないが、それでもまれに道路を排水溝が横切っていたりもするので、それなりに雨水の処理が必要なこともあるんだろう。というか周囲全体が岩山に囲まれているのでひとたび雨が降ったら大変なことになるだろうから、さすがに考えているんだろうが。ところでここは盆地なんだろうか? と素朴な疑問を口にしてみると、M氏いわく「キャニオンというくらいだから渓谷なんじゃないか」と至極正しい答えが返ってきた。そりゃそうか....。
次なる駐車場兼景観スポットでまたも記念撮影。年賀状で使うのを意識しつつ家族3人の写真を撮ったり*2、日本からはるばる連れてきたプリンのピン写真を撮ったり。ここの駐車場では日本人のグループもおり、久々に同行者以外の日本語を耳にする。そういえばラスベガスはけっこう日本人観光客が多いはずなんだが、前日のLAX以来ほとんど日本人を見なかった気がする。まぁ前日行ったのがダウンタウンという比較的日本人が少ないところだったからかもしれないが。
....しかし残念なことにこのへんでプーがうとうとし始めた。無理もない。昨日からの強行軍に加えて、このような自然あふれる景勝地は4歳児にとってはそれほど魅力的なものには感じられなかったのだろう。まぁ今日もまだまだ長いからいま無理に起こすこともあるまい。途中でM氏に運転を替わってもらい、先ほど自動販売機で購入したドリンクを飲みつつ*3車窓からの眺めを楽しんでいるうちに気がつけばシーニックループの終点までやってきた。やや駆け足気味ではあったが念願のアメリ大自然を堪能し大満足だ。

*1:国際免許証が役に立った。

*2:昨年の年賀状で使ったのがここで撮った写真です。

*3:不味かった。